
ニュースでコロナワクチンが打たれている映像をみて、
「筋肉注射って針が垂直に深く刺さって痛そう…」
と思われた方は多くいるんじゃないでしょうか?
そもそも何で筋肉注射を行うの?
筋肉注射と皮下注射の違い
①そもそも何で筋肉注射なのか?
結論からいうと、
実は世界的には筋肉注射が主流なのです❗️
この事実には皆さんは衝撃的だったんじゃないでしょうか?
筋肉注射が主流である理由は実に”効果”と”副反応”の起こりやすさにあります!
(一部の生ワクチンでは副作用の副作用を軽減するために皮下注射されることもあります)
では、何で日本では皮下注射が主流となっているのでしょうか??
日本では皮下注射が一般的な理由
- 1960~70年の日本ではごく一部の医師が子供に対して薬剤の筋肉注射を頻用していた。
- 頻回の筋肉注射により筋肉は局所での炎症を繰り返し、”筋拘縮症”の報告が!
(真にワクチンの筋肉注射が原因で”筋拘縮症”かは誰もわかりませんね) - ”筋拘縮症”とは筋肉注射による物理的な刺激、あるいは注射液による刺激が原因となって筋肉組織が破壊され線維化し、運動機能に障害が生じた症状
=簡単にいうと”可動範囲が狭くなる”ということですね! - こういった背景があったことからも、当時の小児科学会では不必要な筋肉注射は
行わないようにとする提言がなされました。 - こういった時代背景の中で”筋肉注射は極力行わない”という風潮が形成されていきました。
しかし、今回のこの話で注意すべきことが、
”筋拘縮症”をきたすとしている薬剤は”ワクチンではない”ということです。
”筋拘縮症”をきたす恐れのある薬剤の特徴は以下になります(一部の抗生剤や鎮痛剤)。
- pH の低い(≒酸性が強い)
- 浸透圧の高い(≒濃い)
ワクチンは世界的に使われており、今までで”筋拘縮”をきたすという報告はほとんどみられていないことからも、
ワクチンを筋肉注射することは安全であると言えます。
②実際に深く刺してるの?

⬆️左が筋肉注射で右が皮下注射の角度になります。
- 皮膚から下の構造は大まかに❶皮膚→❷皮下組織→❸筋肉と続いている。
- 筋肉注射は皮下注射よりも針が深く到達する必要がある!
- なので針を皮膚に対して垂直に刺す必要がある!

③痛みは強いのか?
「ニュースで針を垂直に刺してて、なんか痛そう…」
実際に筋肉注射を経験しましたが、皮下注射より全然痛くなかったです!
実際には筋肉注射の方が痛くなかったという方がほとんどだと思います!
そして、実際には筋肉注射の方が疼痛の程度が弱いという小規模研究もあります。
以上より、筋肉注射は”皮下注射と同じくらい痛い”or”皮下注射よりも痛くない”
と考えることができると思います。
④逆血確認は本当に必要?
●逆血確認とは…”注射器を一度引いて血液が逆流してこないか確認する”こと
逆血確認の意義とは?
- 針先が血管内に入ってしまっていた場合を想定している
- そのまま薬液を注入すると血液中に直接投与されてしまう
- 薬液の種類によっては中毒になる可能性もある!
- 以上のことから医療現場では薬剤を血管以外に注射する際には、
逆血確認といって”注射器を一度引いて血液が逆流してこないか確認する”ことがあります。
以上の理由からコロナワクチンに関しても逆血確認が必要ではないかとの意見もありますが、
日本医師会の推奨では逆血液確認をする必要はないと明記されております。
逆血確認が不要な理由
逆血確認が不要な理由として、
”筋肉組織損傷による免疫獲得減弱を回避するため”とされています。
これは、注射器を引くことによって”筋肉が吸い込まれて”筋肉が破壊されるリスクがある
ということを示しております。
筋肉が損傷されることにより、筋肉内にワクチンが注入されなかったり
血管損傷が起きて余計な免疫応答が惹起される可能性もあるでしょう。
その結果としてワクチン接種の目的である免疫獲得(抗体産生能の獲得)の
妨げになる可能性があるから、逆血確認は止めようねってことです!
⑤筋肉注射のあとは揉んだ方がいいの?
「皮下注射は揉まないけど、筋肉注射は揉むってきいたことあるな〜」
今回のコロナワクチンは接種後に”軽く圧迫”するだけでOKです!
”揉む”必要はありませんよ〜
揉んだ方が良いと考えられてた理由
- 注入後に揉むことによって薬液が局所に残らない
- ワクチン(という異物)が局所に残らないから副反応も出づらい?
以上のようなことが考えられてて、”筋肉注射のあとは揉む”ことが一般的でした。
しかし、上記の根拠はなく今回の日本医師会の発表では”揉まないでください”と
明記されておりますので、大人しくしたがっておくのが無難そうです。
⑥その他の意外な落とし穴3選
- 皮膚はつまみあげない!
- 薬液はゆっくり注入する必要なし!
- 針先が骨に当たってしまっても数mm引けばOK!
皮膚はつまみあげない!
この理由は簡単で筋肉注射では分厚い”皮下組織”よりも深くに薬液を注入する必要があるので、
皮膚をつまんでわざわざ皮下組織を分厚くする行為はご法度になります!
薬液はゆっくり注入する必要なし!
特にゆっくり注入した方がよいという報告は現在では確認されておりません。
むしろ”針の刺入時に異常の訴えが無いこと”を確認することが重要だとされています!
(針先がちょうど神経に当たっていた場合には”痺れ”などの症状が出現します。)
針先が骨に当たってしまっても数mm引けばOK!
骨に当たったことによる痛みはありますから、痩せている方は注意だ必要です。
しかし、仮に骨膜に針先が当たったからといって特別な対応は必要ありません。
骨膜の直上は筋肉になりますから、落ち着いて針先を数mm戻してワクチンを注入しましょう。
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